誰かに免罪符を求めたかったわけではない。
 ただ、砂粒のように指の間からこぼれる記憶を断ち難かっただけの――。





 パプワ島の森の奥には、洞窟、と呼べるほどの規模ではないが、小さなそれがある。人知れず――といっても、この島に『人間』は数えるほどしかいないのだが――存在するそのほら穴に、一人の青年が住みついてから、軽く一年以上の時が過ぎていた。


Recollection

 

1.幻夢――壁の内の孤独/2.現(うつつ)の島――城の情景/3.幻夢――魔王出現

4.現(うつつ)の島――急告げ蝙蝠/5.現(うつつ)の島――それなりの倖せ/…

 

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